亀田興毅 怪我のため初防衛戦を延期
2006年10月 3日
WBA世界ライトフライ級王者・亀田興毅が、左まぶたの裂傷のため10月18日に予定されていたフアン・ランダエタとの初防衛戦を延期することが発表された。
ここしばらく閲覧をサボっていたので気がつかなかったのだけど以前にも紹介したブログ「拳論★取材戦記」で片岡'幻'亮氏が事前にこの情報をキャッチしたことを報告していたらしい。ヘッドギアを着けてのスパーリングでまぶたを切るなどということがあり得るのか、といった点を含めて今回もまた様々な憶測が飛び交っているようだ。片岡氏が9月28日付のエントリーで興毅-ランダエタの試合はトラブルなく無事に終わってくれるだけで成功なんじゃないか
と述べているが、私としても12月中旬開催を予定しているというこの試合がまともな試合になることを願うばかりである。
片岡氏の10月1日付のエントリーに因んで私もちょっとした感慨を述べておきたい。
私はいわゆる"総合格闘技"の類には興味がなくてほとんど見ないのだが、数年前TVのチャンネルをいじっていたらたまたま大相撲元横綱の曙がK–1の試合に出ていたので少し興味を抱いて見ていたことがあった(相手は私でも名前を知っている有名選手だったのだけど誰だか忘れてしまった)。その試合で曙がダウンした相手選手に攻撃を加えてしまい、その選手の意識が朦朧となってしまったのだった。試合は一時中断し、医師の判断を仰いだ結果「試合続行は不可能」となった。
ところが驚いたことに主催者側はその後も協議を続けた挙げ句、角田信明氏が「医師は試合続行は不可能といっているが選手本人は大丈夫、やれると言っており、私は彼の言葉を信じて試合を続行することにする」という趣旨の説明をしてそのまま試合を続けてしまったのだった。私は見ていて医師の判断を別の人物が覆すことができるということにすっかり呆れ返ってしまった。格闘技は一歩間違えれば死亡事故も起こり得る危険な競技である。それにもかかわらず怪我やアクシデントの際の厳格なルールが定められていないということには恐怖を覚えずにはいられない。こんないい加減な競技に多くの人が夢中になっているのか、と愕然としてしまったのである。
ボクシングというのはプロレスや総合格闘技のようなショー的演出(片岡氏の用語では"エンタメ格闘技")が受け容れられない硬派の格闘技ファンにとって聖域のような存在なのだ。亀田一家が巻き起こす騒動がどれほど滑稽なものであったとしても、ボクシングそのものの権威が損なわれるようなことがあってはならないと強く思う。
元々亀田一家に大して興味はなかったし、ましてこのブログで取り上げるつもりもなかったのだけど成り行きで亀田ウォッチャーの真似事をする羽目になってしまった。音楽の話題を目当てにここを訪問して下さる方の中には血みどろの格闘技の話題を好まない方もおられると思うけどどうぞご容赦を。
追記:10月4日
上述の片岡氏が亀田陣営の事情について夕刊フジ紙上で推論されている。
追記:10月6日
亀田興毅の延期された初防衛戦の日程は12月20日に決まった。
コメント
怪我の原因はヘッドギアは小さめだった事と、スパーリングの相手の階級が上だった事だそうです。相手の方が上手だったという事でしょうか。曙の相手は武蔵でした。ご参考まで。
-> アキラさん
そうでした。武蔵でしたね。ご教示ありがとうございます。試合続行が深刻な事態に至らなかったのは何よりでした。
怪我の真相など詳しいことは私にはわかりませんが、ボクシングファンのはしくれとしては12月に行われるという試合がフェアなものになることを願うばかりです。