フランス大会2006 エキシビション

2006年11月20日

TV朝日がフィギュアスケートファンを敵に回した日

昨日はネットを徘徊していてもフィギュアスケートファンの悲鳴があちこちから聞こえてきた一日だった。元々今シーズンからグランプリシリーズの放映権がNHKからTV朝日に移ったことで、どんな内容の放送になるのか危惧されてはいた。それでもこれまでは多くのファンが見たいと思っている選手の演技はほぼ放送してくれていたので、私としては多少紹介VTRが煩わしかったり実況がうるさかったりするのも許容範囲と受け止めていた。

しかしフランス大会に至ってついに男子シングルのフリーが放送されないという事態が起きてしまった。民放ゆえに視聴率その他の事情を考慮しなくてはならないというのは仕方ないにしても、この競技に継続して関わるつもりでいるのなら熱心なファンの要望に耳を傾け、競技の魅力を幅広い階層に伝えることに真摯な努力をして欲しいものだ。男子シングルのフリーを省略してしまったというのはおそらくジュベール選手やドブリン選手の4回転ジャンプや小塚選手のシニア初参戦がどういう意義を持っているかを正確に把握できていなかったからだろう。

昨日の放送では女子にはたっぷりと時間を割いて多くの選手の演技が紹介され、それ自体はありがたいことだった。しかしその中にはジュベール選手や小塚選手の演技を放送できるはずの時間を割いてまで放送する必要があったとはいい難い演技も含まれていた。公共の電波を預かる立場にある以上、内容の取捨選択により適切な判断ができるだけの見識を備えていただきたいと思う。

個人的には深夜のスポーツニュースで見ることができたせいもあり、亀田興毅のタイトルマッチの時にTBSに対して抱いたほどの憤りは覚えなかったけれど。


フランス大会 エキシビション

さて本題のエキシビションについて。この枠の中で少し男子シングルフリーも放送してくれるかとかすかな希望も抱いていたけれどあっさりと裏切られる。選手一人一人については省略して全体に感じたことを少しだけ。


まず気になるのはフランス大会特有のライティングのこと。競技会の時から氷、壁、客席の色が独特でほかの大会にはない雰囲気が出ていたのだけど、エキシビションになるとさらにこった照明が加わることになる。しかしさすがにこれは少しやり過ぎだったのではないだろうか。何だか選手の演技に集中しずらかった。

キミーの時などは演技の内容とあまり違和感がなかったけど、井上&ボールドウィン組のロマンティックなプログラムでは雰囲気が台無しになってしまっているように感じた。白を基調としたコスチュームの選手の時は移動する度に色が変わって見えて不自然で仕方なかった。

主役はあくまでも選手達であり、照明はそれを引き立たせるための脇役だということをわきまえておく必要があるのではないか。ちょっとフランス人のセンスを疑ってしまうような演出だったと思う。


もう一つ同じ疑問を感じたのがジュベール選手の演技の時のカメラワーク。生歌&生演奏に合わせての演技だったのだけど、演技中にたびたびカメラがジュベールからこのイタリアの小室哲哉&錦織健(という位置付けでいいのかな?)に切り替わるのは本末転倒だと思う。おそらくヨーロッパではそれなりのネームバリューのある人たちなのだろうけど、そこまで配慮する必要があったのかどうか。ウィーンフィルのような一流のオーケストラでもオペラの演奏ともなればオーケストラピットに入るのが当り前。音楽家ならその程度のことはよくわかっているはずだと思うのだけど。


選手の演技で一番心に残ったのはペトロワ&ティホノフ組。この二人が現役を続け、しかもグランプリシリーズに参戦しているというのはうれしい限り。今や中国ペアが最大勢力となっているこの種目だけど、やはりこの二人には中国ペアには出せない雰囲気というものがある。ぜひ長く競技を続けていって欲しいと思う。若手のオベルタス&スラヴノフ組が未だにこのペアをおびやかすことさえできていないのが気にかかるところではあるけれど。

アンコールでやって見せた技は見ているだけで悲鳴を上げてしまいそうになるくらい危険なものだった。マーシャがアリョーシャを信頼し切っているからこそできるのだろう。


ヨナさんは堂々たる演技で、すっかりシニアの雰囲気にも慣れた様子。日本勢にとってはますます手ごわい存在になることだろう。キミーはルッツに挑戦してこけていた。エキシビションにルッツはいらない、が持論の私としてはこういうのはもったいないと思う。安藤さんは腰のせいか少し動きが重たい感があるけど曲に心から共感して演技している様子が感動を誘う。今からファイナルが楽しみになる。

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コメント

地上波でやっていたエキシビジョンとしては、なかなか良い内容だったと思います。欲を言えば、フィナーレをもう少し見せて欲しかったと思いますが。ペトロワ&ティホノフのアンコールの演技にはビックリしましたが、エキシビならではと言う感じで、とても良かったです。このカップル、前のシーズンでの引退を示唆していましたが、もう少し続けてくれるようで嬉しいですね。2人ともとても優しそうで、雰囲気が好きです。是非地元のロシアではぶっちぎりの優勝をして欲しいですね。

こんばんは。
私もジュベールのカメラワークには疑問を感じました。有名な歌手なのかもしれませんが、スケートのEXなのだからスケーターをしっかりと映して欲しかったです。

またしても、TBが遅れなくなってしまいました。(何故?かわかりません。)
ですからまた、ブログの記事をそのままコピーしました。

安藤選手は、 生年月日が同じで親友の女性歌手、絢香さんの「I believe」に合わせて演技していましたね。
歌を口ずさみながら、曲に身をゆだねるようにして演技していました。この曲に支えられてきたというだけあって、本当にこの曲が好きなんだと言うことが伝わってくるような演技でした。
メイクも素顔の美姫さんらしさが出せていて、自然な感じでよかったです。

解説の伊藤みどりさんもおっしゃっていましたが、経験が彼女を成長させてきたのだろうと。成功したこと、失敗したこと、いろんな経験の積み重ねが彼女を大人にして行くのだろうと。
いい年の重ね方をしていっていると・・。そうおっしゃっていましたね。

GPファイナルは、体調を万全にして頑張って欲しいですね。

-> モモさん

今回は現地映像のカメラワークはともかくTV朝日の放送としてはよかったですね。ペトロワ&ティホノフは昨シーズンで引退とも聞いていましたのでこの大会で元気な姿を見ることができてうれしかったです。ロシア大会でも期待できそうですね。


-> まりりんさん

なかなかストレスのたまるカメラワークでしたね。ミュージシャンなのだから映像ではなく音をしっかりと流して上げればいいはずですよね。生演奏での演技は贅沢でいいものですがこうなってしまうと逆効果だな、と思って見ていました。


-> tattiさん

gooブログさんとはうまくいかないですね。ご迷惑をおかけします。

安藤さんはこの曲に出会って失いかけていた自信を取り戻すことができたのでしょう。困難を乗り越えて一回り大きくなった彼女の今が感じられる演技でしたね。


ところでまりりんさんとtattiさんのところに送信したTBの概要の部分が少し刺激的な文面になってしまいました。もし不都合でしたら削除して下さいませ。

おはようございます!
TBありがとうございましたっ!(^^)

安藤選手の今季EXは本当に良いですねっ! このフランスが今季の調子が良くない状態だとしたらかなりの期待ですo(^^)o
で、ジュベール選手の放映はひどすぎました・・・(^^;;
あそこまで行くと笑うしかなかったですが・・・(;^^A 熱烈なファンさんはきっとがっかりですね・・・・

TV朝日さんはとにかく、まだ放映予定が決まっていないGPFで、今季の集大成と言うことで、きちんとした放送をして貰いたいですねっ!(^^)

TBありがとうございます☆
ひや〜っとした怒りを感じられる文章に非常に共感を覚えました(笑)
ジュベールの演技の時の編集に対する意見も大きく頷きました。
ちなみに私もペトロワ&ティホノフ組は好きです(^_^)
スパイラルの時、最初は腕だけでつながっていて、その後ぴったり身体を寄り添わせる所、あの2人の独特の空気感があって観るたびにどきどきします☆

-> Dotaさん

安藤さんファイナルにはぜひ絶好調で臨んで欲しいですね。ジュベールについてはフリーの放送がなくて、エキシビションはやってくれたと思ったらあの映像ですから熱心なファンの方はさぞお怒りだろうな、と思いながら見ていました。

あのカメラワークはTV朝日の責任ではないと思いますが、ロシア大会とファイナルは責任を持っていい放送をしてもらいたいですね。


-> viviさん

少し冷静過ぎたかな、と思っていたのですが共感して下さってうれしいです。ジュベール"先輩"の演技がぶつぶつと切られるのはさぞご立腹でしたでしょうね。お察しします。

ペトロワ&ティホノフは雰囲気があっていいですよね。私は名前がコールされた時にアレクセイが手を差し伸べて、マーシャが上から手を重ね合わせて中央に登場してくる仕草がとても好きです。

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